産総研の中国籍研究員を逮捕 中国企業に情報漏えいの疑い
NHK 2023年6月15日 19時33分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230615/k10014100381000.html

茨城県つくば市にある「産業技術総合研究所」の中国籍の研究員が、フッ素化合物に関する技術情報を中国の企業に漏えいしたとして、不正競争防止法違反の疑いで警視庁に逮捕されました。

逮捕されたのは、国立研究開発法人「産業技術総合研究所」の上級主任研究員で、中国籍の権恒道(59)容疑者です。

警視庁によりますと、平成30年、自身が研究に参加しているフッ素化合物に関する技術情報を、中国の企業にメールで送って漏えいしたとして、不正競争防止法違反の疑いが持たれています。

漏えいされた情報は、変圧器などに使われる絶縁性の高いガスを、フッ素化合物の合成技術を使って生成する先端技術で、温暖化防止にも有効な技術だったということです。

捜査関係者によりますと、権容疑者は平成14年から「産業技術総合研究所」に勤務する一方、軍事部門とつながりが深いとされる中国の大学でも教授を兼任していた疑いがあるということで、警視庁が詳しいいきさつを調べています。

先端技術の流出をめぐっては、流出した技術が軍事転用されれば、安全保障上の脅威になるとして「経済安全保障」の観点から警察当局などが警戒を強化しています。



逮捕の産総研研究員は中国「国防7校」教授
産経2023/6/15 19:47
https://www.sankei.com/article/20230615-Y3VMKUEUZBITXMKSZZH3BPTYUA/
https://cloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com/sankei/A5WICVLJORLXZIK2D635DU3P74.jpg
警視庁神田署に入る権恒道容疑者=15日午後3時53分

先端技術の研究データを中国企業に漏洩したとして、警視庁公安部は15日、不正競争防止法違反(営業秘密開示)の疑いで、茨城県つくば市の国立研究開発法人「産業技術総合研究所」の上級主任研究員で中国籍の権恒道容疑者(59)=同市=を逮捕した。捜査関係者によると、国の研究機関から中国への情報流出が立件されるのは極めて異例だという。

逮捕容疑は平成30年4月13日午後4時半ごろ、電気の絶縁ガスにも使われるフッ素化合物の合成技術に関する研究データを中国企業にメールで送信し、情報を漏洩したとしている。

捜査関係者などによると、権容疑者は平成14年から産総研で勤務しており、フッ素化合物に関する研究に従事していた。産総研に勤務するかたわら、中国人民解放軍と関係があるとされる「国防7校」の北京理工大の教授としても勤務。中国の国家プロジェクトにも関わっていたとみられる。産総研で得た研究データを不正に中国側に送信したとみられる。

公安部は権容疑者の認否を明らかにしていない。15日に権容疑者の自宅など関係先を家宅捜索し、資料などを押収。産総研から相談を受け公安部が捜査を進めていた。