東京湾を望む癒やしスポットとして親しまれている東京都立葛西臨海水族園(江戸川区)の樹木が大量に撤去されるのではないか
との懸念が広がっている。老朽化した施設の建て替え計画を巡る都民の情報公開請求で環境負荷計画などの大半が、小池百合子知事がかつて「のり弁」と批判した黒塗りにされたためだ。
情報公開の専門家は「公共施設の整備内容は早い段階で公開しないと、神宮外苑のように最終段階でもめることになる」と警告する。(三宅千智)

◆「税金で整備するのに隠すのはおかしい」
建て替え計画では、現在の水族園本館の北の土地約1万3000平方メートルに新施設を整備する。
開園は2028年3月を予定する。新たな建物の敷地とされる場所の一部に樹木約1400本がある。
日本建築家協会が「30年かけて育てた樹木の保存に不安がある」と懸念を表明していた。
 一方、2月の都議会環境・建設委員会で都側は「樹木への影響を極力減らすよう配慮し
樹木が支障となる場合、困難なものを除き移植を前提に設計する」と答弁した。

建て替えは民間資金などを活用するPFI方式で実施され、入札には2組が参加。
NECキャピタルソリューションなどのグループが約431億円で落札したが、都が説明した計画では樹木保全の具体策は明示されなかった。

このため、日本建築家協会メンバーの村松基安さん(66)が昨年11月、入札時の提出書類を都に開示請求したが
落札グループの案は全85ページのうち76ページがほぼ黒塗りで、樹木への影響の考え方も公開されず。
落札できなかったグループの案は非開示だった。村松さんは「都民の税金で整備するのに隠すのはおかしい」と問題視する。

続きは東京新聞 2023年6月24日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/258576