人事院は25日、国家公務員のテレワークで発生する自宅の光熱費や水道代などの相当分を補助する「在宅勤務等手当(仮称)」を新設する方向で検討に入った。柔軟な働き方を進める狙い。在宅勤務はコロナ禍を契機に広がったが、現行の給与体系では新たに生じる負担に対応していなかった。8月にも国会と内閣に行う給与改定勧告に盛り込む方針。

新設する手当は、職員が3カ月以上の期間、月平均10日を超えて在宅勤務する場合に、月額で支給する見通し。民間企業の同種手当を踏まえて額を検討する。支給は勤務時間全てを在宅とした日が10日を超えているかで判断する予定だが、10日以下でも手当の返還は想定していないとみられる。
 
手当の支給を受ける職員については、通勤手当の取り扱いを見直す。公共交通機関を利用する職員は、1カ月の平均出勤日数の回数券額を算出し、運賃相当額を支給する。自動車を使う職員は、使用距離に応じて定めている手当額を2分の1にする方向で検討している。
 
内閣人事局の調査によると、コロナ禍の2020年度に在宅勤務をした各府省職員は延べ約289万人で、19年度から約20倍に増えた。ただ、在宅勤務を認める条件や申請方法など統一的な基準は設けられていない。人事院と内閣人事局は手当の創設に間に合うよう、年度内に基準を盛り込んだ指針を策定する方針だ。

時事通信 2023年07月26日08時16分
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