ストロンチウムのイオンが水との親和性が高いために、
液体中にあるときは揮発しにくいからといって、
ストロンチウムが原発事故の際に周囲に飛び散らない
ということにはならない。他のセシウムやウランや
プルトニウムも爆発の際や格納容器がパンクしたときに、
あるいはベントをしたときに蒸気の霧に混ざって放出されて、
それが塵に付着して雲や風と共に遠方まで運ばれるからだ。


もしも僅かなストロンチウム90が含まれる排水であっても、
それを海洋に放出すれば、プランクトンがそれを取り込み、
魚がそれを骨に取り込み、もっと大きな魚がそれを骨に取り込み、
と食物連鎖によって元素が濃縮されていくだろう。だから
投棄を続けて行くうちに次第に海洋生物の汚染度が高まって
行く可能性がある。