東京電力福島第一原発の処理水放出で、国際原子力機関(IAEA)は8日、放出開始から初となる海水の分析結果を発表した。原発3キロ以内の沿岸や海上の数カ所で採った海水のトリチウム濃度は、運用限度を下回ったという。

 IAEAによると、独自の測定結果は、東電と環境省がそれぞれ実施している海水の分析結果と一致しているという。

 IAEAは今年7月、処理水の放出計画は国際的な安全基準に合致し、人や環境への影響は「無視できるほど」とする調査報告書を公表。「IAEAは、処理水の最後の一滴が安全に放出し終わるまで福島にとどまる」(グロッシ事務局長)として、放出期間中も現地で確認を続けると説明していた。(福地慶太郎)

朝日新聞 2023年9月9日 19時30分
https://www.asahi.com/articles/ASR9967H7R99ULBH005.html