学校のプールに誤って水を入れ続けた川崎市立稲田小学校(多摩区宿河原)の教諭と校長に市が損害賠償を請求していることが、波紋を広げている。「教員のなり手が減る」などとして抗議が相次ぎ、13日には請求の撤回を求めたインターネット署名が提出された。市側は「責任を負うことと教員不足は全く別の問題」(福田紀彦市長)として、損害賠償請求は妥当との姿勢を維持する。(高木克聡)

13日夕、ネット署名の発起人となった横浜市立小の男性教諭(39)らが川崎市役所を訪れ、市と市教育委員会に提出した。男性教諭によると、署名は3800筆を超えたという。

署名ではプールの管理マニュアルの不備は市教委にも責任があるなどとし、賠償請求の取り下げを求めている。男性教諭は「賠償請求を川崎で認めてしまえば、横浜などほかの地域でも起こるのではないかと不安に思った」と話す。

稲田小のプール水流出は5月に発生。市教委によると、同小の教諭はプール開きに向けた設備点検で給水口のスイッチを操作して給水を実施。プールに水がない状態で濾過(ろか)装置も作動させたため警報音が鳴り、電源ブレーカーを落として警報音を止めたという。給水口のスイッチの電源も失われ、その後に水を止める操作を行ったが給水が続いた。5日後、用務員が気付いて発覚した。

市側は流出した水は同小のプール6杯分に相当する約2200立方メートルと推定し、水が止まったかどうかを教諭が確認せず、校長が作業マニュアルを作成していなかったなどとして、民法に基づき損害賠償請求に踏み切った。請求額は他自治体での事例に関する判決の内容を踏まえ、水道代などの損害額の5割に当たる約95万円とした。

(以下ソースにて)
https://www.sankei.com/article/20230914-SQAGO2IKTVKZBB7JVB6DTK2AZ4/