東京都内では「都民の日」の10月1日、動物園や美術館などの入場料・観覧料が無料となる。都民でなくても対象となる。そのため、上野動物園では2歳の双子のジャイアントパンダ「シャオシャオ」(雄)と「レイレイ」(雌)などを見ようと多くの人が訪れると予想され、混雑は必至だ。【デジタル報道グループ】

観覧受付時間、繰り上げの可能性
 「土日はパンダの観覧受付時間が繰り上がることが多く、特に無料の日はお弁当を食べるのに座る場所を見つけるのにも苦労するほど混雑するでしょう」。動物園の担当者はこう話す。


 パンダを見るには整理券などはなく、行列に並ぶしかない。閉園は午後5時だが、双子は午後3時半、父親のリーリーは午後4時に観覧受け付けが締め切られる。ただし、混雑状況により繰り上がることもあるという。

 同園のX(ツイッター、@UenoZooGardens)によると、9月24日(日曜日)は双子の観覧受け付けが午後2時半で終了し、リーリーは午後3時45分で締め切った。なお、母親のシンシンは高血圧のため公開を見送っている。


 通常、入園料は一般個人600円▽65歳以上300円▽中学生200円。都内在住・在学の中学生は無料で、小学生以下は在住・在学にかかわらず無料。開園は午前9時半。混雑を避けるなら平日がおすすめという。

「都民の日」は1952年制定
 都民の日のいわれは明治時代にさかのぼる。1889(明治22)年に生まれた東京市は、市制特例という法令により、市長を置かず、市役所も開設しないなど、市民の市政参加が大きく制限されていた。


 これを広げようという運動が続き、98(同31)年10月1日に特例が廃止され、東京市が独立した自治体になった。その歴史を忘れないため、1922(大正11)年に10月1日が「自治記念日」となり、戦後の52(昭和27)年に「都民の日」が制定された。

 条例は「都民の日には、東京都庁及び所属公庁は、都政の普及と理解に資するため諸施設を公開し、各種の記念行事を行うものとする」と定め、施設の入場料などを「減免できる」としている。


無料になる施設
 ■動物園・植物園……神代植物公園▽葛西臨海水族園▽東京港野鳥公園▽多摩動物公園▽井の頭自然文化園▽恩賜上野動物園▽夢の島熱帯植物館

 ■美術館・博物館など……江戸東京たてもの園▽東京都美術館▽東京都庭園美術館▽東京都写真美術館▽東京都現代美術館

 ■庭園……浜離宮恩賜庭園▽六義園▽清澄庭園▽旧芝離宮恩賜庭園▽旧岩崎邸庭園▽旧古河庭園▽小石川後楽園▽向島百花園▽殿ケ谷戸庭園

毎日新聞 2023/9/30 20:00(最終更新 9/30 20:37) 1068文字
https://mainichi.jp/articles/20230930/k00/00m/040/150000c