インターネットの求人サイトに掲載された待遇よりも実際の月給が10万円以上少なかったとして、洋菓子店「マダムシンコ」の元従業員だった男性(47)が運営会社に未払い賃金など約240万円を求めた訴訟で、大阪地裁(岩佐圭祐裁判官)は12日、会社側に約100万円の支払いを命じた。

 運営会社は「カウカウフードシステム」(大阪市)。判決によると、男性は2021年3月、求人サイトで「月給35万〜50万円」と記載された同社の豊中工場の広告を見て応募し、採用された。3カ月間の試用期間中は月給25万円だったが、その後は25万円を下回るようになり、22年5月に退職した。

 男性側は「月給35万円の労働契約だった」と主張していたが、岩佐裁判官は求人広告は男性が採用された職種とは別のものだったと指摘。「月給16万5500円〜25万円」という内容の雇用契約書が作成されていたことなどから月給は25万円と判断し、実際に支払われた金額との差額などの支払いを命じた。【鈴木拓也】

毎日新聞 2023/10/12 19:53(最終更新 10/12 19:53) 426文字
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