10日朝、鳥取県米子市の米子水鳥公園に、冬の訪れを告げる「コハクチョウ」が飛来しているのが確認されました。一方で、長旅を終え一息つこうとしたのも束の間、コハクチョウは池から追い出されてしまったといいます。一体何があったのでしょうか?

小崎純佳キャスター
「いました!白いもふもふの姿が見えます。水に潜ってエサを取っているんでしょうか?」

10日午前6時すぎ、米子水鳥公園で、今シーズン第一陣となる1羽のコハクチョウの姿が確認されました。去年より1日遅いものの、ほぼ平年通りの初飛来です。

米子水鳥公園 神谷要 館長
「長旅の疲れを癒やすように水草を食べたり休憩したりしていました。初飛来に向けて草刈りなど環境整備をしてきたので、なんとか間に合ったなと」

冬の訪れを告げるコハクチョウ。
長旅を終え、ゆっくり羽を休めたいところですが、実は困ったことが起きていました。

米子水鳥公園 神谷要 館長
「来て早々、コブハクチョウがコハクチョウを追い回したりしていて。コブハクチョウのほうが体が大きいので、小さいコハクチョウがいじめられちゃうのでいつも心配しています。」

発見時、コハクチョウは一年中水鳥公園にいるというコブハクチョウに威嚇され、一度池から追い払われてしまったというのです。

小崎純佳キャスター
「今、手前にいる大きなハクチョウがコブハクチョウです。コハクチョウとはかなりの距離がありますね」

コハクチョウと比べ体が大きく、オレンジ色のくちばしの「コブハクチョウ」。その名の通り、くちばしの付け根部分に黒いこぶがあるのが特徴です。

米子水鳥公園 神谷要 館長
「コブハクチョウは外来種で、一年中水鳥公園にいるので、自分のテリトリーに他のハクチョウが入ってきたということで追い出そうとしているんだと思います。」

翼を広げると2メートルにもなる巨大な「コブハクチョウ」。ヨーロッパ原産で、日本へは元々は飼い鳥として入ってきたといいます。外来種ですがそのまま日本に住み着き、巨大で天敵がほとんどいないため、水の上にいればほとんど「無敵状態」なんだとか。

米子水鳥公園 桐原佳介 統括指導員
「大変気性の荒い鳥でして、人のことを全然恐れないです。一方で非常に攻撃的な鳥で、在来の色々な鳥に対して激しく攻撃して追い払ってしまいます。特に困っているのが、近い種類であるオオハクチョウやコハクチョウに対して特に攻撃的であることです」

今、コブハクチョウは中海周辺で徐々に増殖していて、今後も増え続けた場合に懸念されるのが…

米子水鳥公園 桐原佳介 統括指導員
「数が少ないうちは、ただキレイだね、かわいいねで終わるかもしれませんが、数が増えてきますと、農業被害が懸念されます。例えばレンコン畑での食害が報告されていますし、私も島根県安来市の方で稲穂を食べているコブハクチョウをよく見かけるので、コブハクチョウによる農作物の食害が深刻になる恐れもあります。あとは、人を恐れない鳥なので、人の生活圏に平気で入り込んでしまうことがあります」

コブハクチョウに人がエサをあげることで栄養状態がさらに良くなって、他の鳥を圧倒する要因になるとのこと。人との距離が近づくことで農作物への被害につながる恐れもあるため、とにかく接触を避けて見守り続けることが大切だということです。

米子にやってきて早々にコブハクチョウの洗礼を受けてしまったコハクチョウ。

来年3月頃まで中海周辺で過ごすということです。

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BSS山陰放送 2023年10月11日(水) 06:11
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