メンズ脱毛市場に注目が集まっている。医療脱毛専門院「リゼクリニック」のデータによると2015年9月~2020年8月までの5年間で女性の脱毛が4.7倍に増加した一方、男性の医療脱毛専門医「メンズリゼ」のデータでは同期間に男性の脱毛は11.3倍増加したという。

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「きっかけはヒゲ脱毛だ」という加藤氏。「以前は朝出勤前に早めに起きて一生懸命ヒゲ剃りをしていたが、剃り終えた時点で、もはや青くて…。その容姿を鏡で見るたびに、自分自身が好きになれずに悩み、脱毛を決断した」と述べた。

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 その後23歳でヒゲ脱毛を始め、最終的に約120万円をかけて全身脱毛をした経験を踏まえて「毛に関して悩んでいる方は、今なら脱毛で人生が変わると思う。毎日の無駄な剃毛の時間をなくして、生産性が上がることもそうだが、何より悩みがひとつなくなることで思っている以上に思考が変わった」と心境の変化に言及。

 さらに「それまでは体毛のせいで、こんな自分が髪型にこだわったり、ファッションを頑張っても意味がないと思っていた。しかし、脱毛は支払ったお金に対して、目に見えて毛がなくなるという結果にコミットしてくれる。それが小さな成功体験となり、今まで嫌だったことが解消された。現在はVIOと呼ばれるデリケート部分も全てツルツルな状態になっている」と述べた。

毛深い=罪なのか?

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実際に脱毛サロンに訪れる人々はどのような思いで来院するのか? 全国22カ所、月に7万人以上が来院するという『ゴリラクリニック』の稲見文彦総院長は「加藤さんのように体毛が濃いことに悩んで来られる方が大半だ」と述べた。

 また、「今までは悩みに対する受け皿がなかったが、10年前から男性専門のクリニックができ始め、“こういう所で相談すれば自分のコンプレックスは解消できる”ということで、次第に増えていった。男性は外見を気にするなと言われた時代もあったが、今は“自分をこう直したい”という気持ちで来院される方が多い。とても良い傾向だ」と近年の変化に言及した。

 実は脱毛にも時代によりトレンドがある。東京未来大学の鈴木公啓准教授によると、争いの時代は毛深さが好まれ、平和な時代はツルツルの方が良いとされる傾向にあるという。例えば、戦国時代はヒゲをたくわえる傾向にあったが、江戸時代になるとヒゲを剃る人が増えた。しかし、明治時代に富国強兵が叫ばれると、またヒゲを生やすことがトレンドになるなど、歴史は繰り返されているようだ。

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 最後に、脱毛で自分が変わったという加藤氏は「僕は今を全力で生きたくて、今の時代の流れに合わせてどの選択を採れば幸せになれるかを考えている。僕が今日伝えたいことは、自分のような人間もいれば、わっしょい原人さんのように体毛に自信を持っている方も素敵だと思う」と述べた。

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