全国の地方銀行99行が抱える債券や投資信託などの含み損が、ことし9月末の時点で合わせて2兆9000億円余りと、3か月前より80%以上、増えたことがわかりました。金利の上昇によって債券の価格が下落したことが背景にあります。

これは資産運用の助言会社「日本資産運用基盤グループ」が、全国の地方銀行99行が公表した今年度の中間決算のデータをもとに集計したものです。

それによりますと、これらの地方銀行が抱える国内債券や外国債券、それに投資信託などの含み損が、ことし9月末時点で2兆9100億円余りとなり、3か月前より81%増えました。

このうち、国債など国内債券の含み損は1兆5100億円余りと、3か月前の2.6倍に拡大しました。

これは、日銀がことし7月に金融政策の運用を柔軟化して、長期金利の上限を引き上げたことをきっかけに債券市場で長期金利が上昇し、債券の価格が下落したためです。

また、外国の債券についても、金利の上昇が続く中で債券価格が値下がりしたことから、含み損が一段と膨らむ要因となっています。

一方、今回の中間決算では、取引先の経営悪化に備えて、引当金を積んだ地方銀行が相次いだことから、全体の57%にあたる57の銀行で、最終損益が減益となりました。

NHK 2023年11月27日 5時18分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231127/k10014269721000.html