“大麻グミ”問題で注目された「CBD」が“意識高い系女子”に支持されるワケ “覚醒”よりも“まったり”したい? | AERA dot. (アエラドット):
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2023/12/01/ 11:00 大谷百合絵

NYの大麻関連商品の展示会に並ぶ「CBDキャンディー」(写真:ロイター/アフロ)

 大麻の有害成分に似せた合成化合物「HHCH(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)」が入った、通称“大麻グミ”を食べた人の健康被害が相次いだ。その結果、同じ大麻つながりでやり玉にあげられているのが、サプリメントやコスメなどで人気の、大麻由来の合法成分「CBD(カンナビジオール)」だ。近年、美容やヘルスケアへの関心が高い女性たちの間でCBDに注目が集まり、女性誌などでも紹介されている。CBDが今、女性たちに人気な理由と、その安全性について、専門家に聞いた。

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「CBDは今回報道されている『大麻グミ』、つまり合成された化合物であるHHCHとは大きく異なる成分です。CBDは精神作用がなく、安全性も認められ食品として正式に認められている成分です。~中略~メディアにおいてもきちんとその辺りの区分けがなく報じられていることもあり、我々としては大変迷惑をしています」

 11月17日、CBD製品を扱う「ワンインチ」の柴田耕佑社長は、自身のXアカウントでこのように訴えた。

 HHCHは、幻覚作用や中毒性のある違法な大麻成分「THC(テトラヒドロカンナビノール)」に似せて作られた、合成化合物。厚生労働省が22日に「指定薬物」に追加したことで、来月2日以降の所持、使用、販売が禁止となる予定だ。

 一方のCBDは、大麻成分のなかでも、規制の対象となっていない合法成分。WHOの報告書には、「研究数は限られている」としながらも「人体に対する依存性や乱用性はない」と記されており、いわゆる“ハイ”になる精神作用はなく、ストレス解消や安眠、不安や痛みの軽減といった効果があるとされる。

CBDとTHCは化学式こそ似ていますが、その作用はまったく異なります。『CBDは大麻成分だから危険』と思う人もいるかもしれませんが、それはただのイメージです」

 こう話すのは、同志社女子大学薬学部の喜里山暁子准教授だ。海外の医療現場では、CBDは既に「てんかん」治療などに使われており、日本でも医薬品としての承認を目指す動きがあるという。


「副作用としては、食欲低下、下痢、眠気、倦怠感などが挙げられますが、相当な量を投与しない限り起こりにくく、重篤な事態に陥ったケースは聞いたことがありません」(喜里山准教授)

 大麻草において規制されているのは、THCを多く含む葉や根などの部位。大麻草の成熟した茎または種子から抽出された、もしくは化学合成された CBD を使った製品は、THCが混ざっていない限り合法だ。そこで、CBDは近年、経口摂取用のカプセルや、化粧品、キャンディ、チョコレートなどさまざまな形で商品化されており、健康食品店や雑貨店でも売られている。

CBDグミで「すっと眠りに落ちた」

 メディア業界で働く50代女性のAさんは、昨年、わらをもすがる思いでCBDグミを買ったという。

 当時、仕事の重圧で精神的に病み、毎日焼酎1合を飲んでいたAさんは、ある日の晩酌で、精神安定剤や睡眠薬など精神科でもらった薬を一緒に飲んでしまった。そして、キッチンで昏倒(こんとう)。尋常ではない物音に驚いて駆けつけた高校2年生の娘が見たものは、食器の水切りカゴとともにあおむけで転がる母の姿だった。


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(略)

※省略していますので全文はソース元を参照して下さい。