「人生変わった(笑)」安倍首相にヤジ飛ばした女子大学生 今は労働運動で活躍 スト決行で4年ぶりボーナス獲得 技能実習生に解決金「生きづらい世の中は変えられる」(TBS NEWS DIG Powered by JNN) - Yahoo!ニュース
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12/2(土) 7:02配信

ドキュメンタリー映画「ヤジと民主主義 劇場拡大版」が12月9日(土)からポレポレ東中野(東京)やシアターキノ(札幌)を皮切りに全国で公開される。

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本作は2019年7月に札幌で参議院選挙の応援演説にきた安倍晋三首相(当時・以下略)にヤジを飛ばすなどした男女が警察に排除され、表現の自由を奪われたとして裁判で争う過程を約4年にわたって取材したものだ。

映画の主な登場人物のひとりに桃井希生さん(28)がいる。桃井さんは安倍首相に向かって「増税反対」と声を上げた瞬間に警察官によって排除されただけでなく、その後1時間も執拗に付きまとわれた。映画は桃井さんの闘いに密着するだけでなく、小さいころから吃音に悩みながらも「生きづらい世の中は変えられる」と気が付き、成長する姿も描く。桃井さんの飾らない人柄と葛藤する生き方に、映画を試写した若者や女性に共感が広がっている。

(略)

桃井さんは声を上げた。

「増税反対」

周囲にいた4,5人の警察官がすぐさま桃井さんの身体を掴み、強引に後方へ連れ去っていく。それが警察だとわかった桃井さんは「私なんか悪いことしたの?」と聞くが、警察官は「落ち着こう、落ち着こう」と言うばかりで、法的根拠を説明しない。その後も、桃井さんは2人の女性警察官に1時間近くも付きまとわれることになる。桃井さんらは、表現の自由を奪われたとして、北海道警察を所管する北海道に対して損害賠償を求めて提訴した。

「人生が変わりましたね(笑)。声を上げたときは、世界で私だけおかしい人なのかなと不安があったんですけれど、おかしいよねと言ってくれる人も結構いるので心強い」

■「会社や政治に不満があったら、どうやって声を上げればいいの」“駆け込み寺”札幌地域労組で活動 札幌地域労組は労働運動で次々と結果も

2020年、桃井さんは北海道大学を卒業し、札幌地域労組に就職した。現在は書記次長として活動する。札幌地域労組は非正規雇用やパートなど一人でも加盟することが可能で、職場に労働組合がない人たちの「駆け込み寺」とも言われる。年配の男性が多い労働組合の職員のなかで、20代女性の桃井さんはひときわ異彩を放つ。

「あしたの予定を確認させていただきます!」

4月24日深夜、桃井さんは立ち上がり、自分の親ほど年齢の離れた組合員にむけて説明をはじめた。北海道千歳市で路線バスを運行する会社の会議室。会社側との数時間におよぶ団体交渉は決裂し、札幌地域労組千歳相互バス支部は翌日のストを決めたばかりだった。

桃井さんたちは午前3時近くになって、ようやく会社から出てきた。

「運転手さんたちの闘いが全国に届いて、私たちには声を上げるチカラがあるんだよということが、この闘いから伝わっていけばいいと思います」

ストは決行された。ほどなくして組合は4年ぶりの夏ボーナスを勝ち取った。

札幌地域労組は、労働運動で次々と結果を出している。

2022年、有名タレントが社長を務め、生キャラメルで有名な会社が、ベトナム人従業員約40人に対し「契約期間満了」だとして、雇い止めを通知した。きっかけは寮の水道光熱費の値上げに抗議するため、ベトナム人従業員がストライキを行ったことへの報復だった。会社は謝罪し、すでに退職していた従業人に解決金を支払った。

桃井さんは会社の対応に憤る。

「ストライキ自体は正当な権利なのに、(会社が従業員に損害賠償を求めて)『50万円払え』とか報復されてしまうと、会社に不満があったり、政治に不満があったら、どうやって声を上げればいいのかという話ですよね」

吃音に悩み続けた10代。声を上げれば社会が変わることに気がついた学生時代。その声を権力によって奪われたヤジ排除。桃井さんの裁判の闘いは、元首相銃撃事件という大きな渦に巻き込まれながら、予想外の展開を迎える。


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