中小企業の業態転換を助成する国の基金事業について、事務局を委託された人材派遣大手パソナの元派遣社員が在職中、この基金事業で知り得た1社に対し、補助金の申請を有料で支援する旨の営業メールを送っていたことが分かった。社員の業務用パソコンからは、約11万人分の個人情報を含む補助金採択済みの約7万5千社の企業情報が持ち出された可能性があるという。

基金が設置されている独立行政法人中小企業基盤整備機構が、22日に公表していた。所管する中小企業庁などによると、補助金の申請書類をチェックするパソナの派遣社員が10月、補助金が採択された事業者1社に、営業メールを送信。さらに、補助金の申請支援サービスを周知するホームページを立ち上げていた。

社員の業務用パソコンには、氏名などの個人情報を含む約7万5千事業者の情報が保存、閲覧されていた。パソコンから何らかのファイルが外部に持ち出された形跡もあった。パソナは警察に偽計業務妨害の疑いで被害届を出したという。

■膨らむ基金の運営、民間への委託相次ぐ

営業メールを受け取った事業…

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朝日新聞 2023年12月26日 7時00分
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