富山市は4日、市立中学校に通う1年生の男子生徒が、家族と帰省中だった石川県輪島市で地震に遭い、死亡したと明らかにした。

取材に応じた父親によると、男子生徒は13歳。両親と兄の一家4人で1日午前に富山市の自宅を出発し、輪島市の母親の実家を訪問。昼食後に1階の和室でくつろいでいたとき、大きな揺れに襲われ、倒壊した家屋の下敷きになった。

父親が何とか屋外に抜け出すと、押しつぶされた1階から子供の声が聞こえてきた。兄を救助した後、男子生徒も見つけ、必死に助け出したが、間に合わなかった。「救助の途中で息をしていないのは分かった。それでも、何としても外に出してあげたかった」と声を絞り出した。

一家の隣に住む父方の祖父母も悲しみに暮れている。1日朝、お年玉をあげたときの笑顔、元気よく出かけていった姿が脳裏に焼き付いているという。

読売新聞 2024/01/05 06:55
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240105-OYT1T50039/