能登半島地震の被害は、震源地から100キロ以上離れた観光都市・金沢にも影響を及ぼしている。金沢でも震度5強を記録し、観光地が集中する市中心部の美術館や金沢城公園は一部が被災し、復旧の見通しは立っていない。1日以降も続く地震を恐れてか、宿泊施設でもキャンセルが相次いでおり、街中にあふれかえっていた観光客の姿もめっきり減った。

 市中心部には、国の特別名勝・兼六園、現代アートで知られる金沢21世紀美術館、金沢城公園などがある。市の資料によると、コロナ禍前の2019年の利用者数はそれぞれ約275万人、約261万人、約233万人と市内の観光施設のトップ3を占める。

 3施設はコロナ禍の21年に約88万〜約113万人に落ち込んだものの、22年は約160万〜約194万人に。昨年5月以降はコロナ対策の緩和で徐々に観光客が戻り始め、回復傾向が続いた。特にインバウンド(訪日外国人客)が目立っていた。そんな矢先、地震が起きた。市中心部で営業していたタクシー運転手は「地震で観光客ががらっといなくなった。コロナの頃に戻ったみたい」と話す。

 市文化政策課によると、金沢…(以下有料版で,残り650文字)

朝日新聞 2024年1月14日 7時00分
https://www.asahi.com/articles/ASS1D3FT3S19PISC01F.html