アメリカの民間企業が開発し、今月打ち上げられた無人の月着陸船について、企業側は打ち上げ後に異常が発生したため月への着陸を断念し、日本時間の19日「宇宙ごみ」にならないよう、地球の大気圏に突入させて、燃え尽きたとみられると明らかにしました。

アメリカの民間企業「アストロボティック・テクノロジー」が開発した月着陸船「ペレグリン」は、今月8日、南部フロリダ州の施設から打ち上げられましたが、その後、推進システムの異常が判明し、月への着陸を断念していました。

この着陸船について、開発した企業は、「宇宙ごみ」にならないよう、日本時間の19日、地球の大気圏に突入させたと発表しました。着陸船は南太平洋の上空で燃え尽きたとみられるということです。

この着陸船は、NASAが進める、月面への物資の輸送を民間企業が担うプロジェクトの一環として打ち上げられ、NASAの観測機器などを運んでいました。月への着陸に成功していれば、民間企業としては初めてとなる可能性がありました。

月をめぐってはここ最近、国や民間企業による国際競争が激しくなっていて、日本のJAXA=宇宙航空研究開発機構が20日未明、無人探査機の月面着陸に成功したほか、アメリカの別の民間企業も来月以降、月着陸船の打ち上げを予定しています。

NHK NEWS WEB
2024年1月20日 9時48分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240120/k10014328241000.html