能登半島地震が発生した1日夜、自主避難所の穴水高校(石川県穴水町)に設置された飲料の自動販売機3台が壊された。ジュースなどが避難者に配られたという。一方で、1台を管理する北陸コカ・コーラボトリング(富山県高岡市)は県警に被害届を提出した。識者は「罪に問われる可能性がある」と指摘する。非常事態の被災地での破壊や持ち去りは許されるのか。

◆避難者「物資がない中うれしかった」
 住民ら100人以上が避難した穴水高は停電して自販機が利用できなかった。車中泊をしていた女性は複数の避難者が「飲み物が必要だから自販機を壊そう」と話すのを聞き、その後ジュースを受け取った。「物資がない中でうれしかった」と振り返る。
 自販機は電動工具でこじ開けられた跡があり、お金の保管場所も壊された。北陸コカ・コーラによると事前に「壊す」という連絡はなかった。自販機は1台約40万円。北陸コカ・コーラは18日に被害届を提出し、県警は器物損壊事件に当たる可能性があるとみて関係者から話を聞いている。
◆「器物損壊や窃盗、盗品無償譲り受けの罪に問われる可能性」
 日弁連で災害復興支援委員長を務めた永井幸寿弁護士は「自販機を壊し、中身を取り出した人は器物損壊や窃盗、不法に入手したと知りながら飲料を受け取った人は盗品無償譲り受けの罪に問われる可能性がある」と指摘する。
 永井弁護士によると、刑法が罰しないと規定する「緊急避難」が成立すれば、罪に問われないこともあるが、危険が切迫していた場合など、法律で定められた複数の要件を満たした場合に限られる。
 今回は管理会社に連絡するなど他に手段があったため、緊急避難に当たるとは考えづらく、民法上の損害賠償責任を負う可能性も高い。北陸コカ・コーラの担当者は「自販機に記載された問い合わせ先に連絡してもらえば、少し時間はかかるかもしれないが対応できたはず」と語る。
 近年は、所定の操作をすれば無料で商品が取り出せる災害支援型の自販機が増えている。ただ停電時は利用できない。北陸コカ・コーラの自販機もこのタイプだった。
 穴水高に設置されたサンデン・リテールシステム(東京)製の自販機2台も同様に壊された。北陸支店の担当者は「非常用の予備電源などにつなげば利用できたかもしれない。まずは管理会社に連絡し、指示を仰いでほしい」と話した。(新居真由香)

東京新聞 2024年1月22日 16時15分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/304359
★1 2024/01/22(月) 22:06:28.58
※前スレ
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1705928788/