過去最高水準となる賃上げ要求が相次いでいる今年の春闘。昨年に続く賃上げ機運に盛り上がるが、足元の賃金は海外の伸びには追いついていない。

 日本でバブル経済崩壊後の「失われた30年」とも呼ばれた経済低迷期に賃金は長らく上昇せずに停滞した。その間に海外との賃金差は広がった。

 厚生労働省が、経済協力開発機構(OECD)の統計をもとに主要7カ国(G7)の1991年と2020年の賃金を比較したところ、名目賃金では米国が2・8倍、英国が2・7倍に伸びた。イタリアでも1・8倍に伸びたのに対し、日本は1・1倍にとどまった。また、物価上昇を考慮した実質賃金で比べても英米が5割近く、仏独が約3割上昇したが、日本は3%しか伸びなかった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e02110b1e0167f15d3b868b1e433d1eaa51b70d1