飯田市、リニア駅周辺整備で基本計画策定  :日本経済新聞
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 飯田市は31日、リニア中央新幹線の新駅を中心とした街づくりの基本となる「リニア駅周辺整備基本計画」を策定した。駅周辺の約6.5ヘクタールを整備区域とし、自動車750台分を収容できる駐車場のほか、利用客が乗降しやすい「交通広場」、にぎわいの場となる「魅力発信施設」などを造る。長野県の南玄関口と位置付けて具体的な整備事業の検討に入る。

 飯田市は同日、有識者や地元自治会、商工業団体などで作る「リニア駅周辺整備検討会議」を開き、計画をまとめた。

 リニア中央新幹線の駅は飯田市の市街地から約3キロメートル北東に設置される。整備基本計画ではリニア線の北側の約3.8ヘクタール、南側の約2.7ヘクタールで新たな街づくりを進める。

 北側、南側の双方に自家用車からリニアへの乗り換えを想定した「パーク&ライド」用の駐車場と、公共交通の乗降場となる「交通広場」を設ける。北側の交通広場は駅を降りた乗客が他地域に向かう拠点となることを想定。高速バスや観光バス、レンタカーが乗降しやすい広場を造る。スマートインターチェンジができる中央自動車道の座光寺パーキングエリア(PA)と交通広場を結ぶ進入路も整備する。

 一方、南側の交通広場は飯田市の中心市街地に近いため、路線バスやタクシーの乗降場を造り、地元の人の利用を見込む。「魅力発信施設」や「交流広場」も設置し、伊那谷地域の特産品や郷土料理、伝統文化を楽しめる機能を持たせる。航空機関連産業など、地元のビジネス情報も提供できるようにする。

 リニアは高架を走るため、高架下に高さ5.5メートルのコンコースができる。高架下の空間には観光情報や伝統文化の情報を提供する総合案内所を設置する。

 基本計画には広域交通の拠点として、JR飯田線との乗り換えのため「新駅の設置を検討する」と盛り込んだ。

 飯田市は今回の基本計画を具体化させるため、次の基本設計の段階に入る。助言組織として6月下旬にも「リニア駅周辺整備デザイン検討会議(仮)」を発足させて準備に入る。11月ごろから具体的な基本設計に入り、2018年度までに個々の施設の規模や内容を検討する。