8月28日 17時25分

「全国学力テスト」の結果が公表され、小中学校とも、秋田県や石川県、福井県などが例年と同じく上位を占めた一方、10年前と比べて上位と下位の差は縮まるなど、学力の底上げが進んでいることがわかりました。
「全国学力テスト」は、文部科学省が小学6年生と中学3年生を対象に行い、ことしはおよそ200万人が参加しました。
各教科別の平均正答率をみると、小学校では、国語Aが74.8%、国語Bが57.5%、算数Aが78.6%、算数Bが45.9%、中学校では、国語Aが77.4%、国語Bが72.2%、数学Aが64.6%、数学Bが48.1%でした。

都道府県の中で、最も正答率が高かったのは、小学校では、国語Aが秋田県で80%、国語Bが秋田県と石川県で64%、算数Aと算数Bは、ともに石川県で85%と53%。中学校は、国語Aが秋田県と石川県、そして福井県で82%、国語Bが秋田県で78%、数学Aと数学Bはともに福井県で73%と54%でした。

一方で、都道府県のうち最も正答率が高い県と低い県を比べたところ、10年前は小学校の国語Aで16.9ポイント、算数Aで14.4ポイントの開きがありましたが、ことしは、国語Aが8ポイント、算数Aが9ポイントと、それぞれ差が縮まり、文部科学省は学力の底上げが進んでいるとしています。

ここ数年、全国学力テストをめぐり、テスト対策などが過熱したため、文部科学省はことしから都道府県別の結果を整数で公表し、全国の順位が詳細に分からないよう変更しました。

子どもの学力問題に詳しい早稲田大学教職大学院の田中博之教授は「学力の底上げは進んだといえるが、過度なテスト対策を行うのではなく、このテスト本来の狙いに立ち返る必要がある。子どもの学力を丁寧につけていくことが求められている」と話しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170828/k10011115781000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001