東北電力は14日、営業運転再開に向け安全対策工事を進めている女川原発(宮城県女川町、石巻市)の一部を報道陣に公開した。東日本大震災を受け、国内最大級となる海抜約29メートルの防潮堤の設置や、放射性物質の拡散を抑制するフィルター装置の導入など対策を進めている。2号機再稼働を目指し、安全性をさらに強化していく考えだ。

女川原発は敷地が海抜13・8メートルの高さにある。震災では約13メートルの津波が襲い一部機能がダウンしたが、原子炉は安全装置が正常に作動し冷温停止した。現在原子力規制委員会の新規制基準適合性審査を受けており、平成30年度後半の安全対策工事完了を見込む。

この日公開したのは、高さ約29メートル、総延長約800メートルの防潮堤。国内最大級とされる中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の22メートルを上回る。また、審査申請中の2号機原子炉建屋内に新たに取り付けるフィルター装置も公開。事故で原子炉格納容器内の圧力が上昇した際には、破損を防ぐため蒸気を大気中に放出する必要がある。担当者によると、フィルターを通すことで粒子状の放射性物質の放出量を従来の千分の一以下に抑制できるという。

菅原勲所長代理は「基準震度は(規制委から)おおむね妥当な検討が行われていると評価いただいた。地域の皆さまにも丁寧に説明していく」と話した。

http://www.sankei.com/life/news/170915/lif1709150032-n1.html