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おまけ

中性子星
合体で重力波 米欧チームが初観測 
http://cdn.mainichi.jp/vol1/2017/10/17/20171017k0000m040077000p/8.jpg
毎日新聞2017年10月16日 23時19分(最終更新 10月17日 01時22分)
https://mainichi.jp/articles/20171017/k00/00m/040/068000c

 地球から約1億3000万光年離れた高密度の天体「中性子星」が衝突・合体した際に放出した重力波を、米欧の国際研究グループが初めて観測することに成功し、16日発表した。ブラックホールの合体による重力波は米国の重力波望遠鏡「LIGO(ライゴ)」が観測に成功しているが、今回は重力波とともに、光やエックス線などの電磁波も初観測した。重力波をきっかけに、宇宙の謎の解明を目指す新たな天文学が始まった。

●重金属の謎解明へ一歩
 LIGOと欧州の重力波望遠鏡「VIRGO」(バーゴ)は8月17日、ブラックホールと異なる特徴がある重力波を約6分間観測。「うみへび座」の方向にある、1億3000万光年離れた二つの中性子星(太陽の重さの1.2〜1.6倍)が衝突・合体した際に放出された重力波と断定した。

 日本の国立天文台など世界の約70機関も追加観測した結果、合体によって放出された光やエックス線、ガンマ線も観測することに成功。鉄より重い元素が合成されている可能性が高いことが分かった。

 金やプラチナといった重元素は、寿命が尽きた星が最後に起こす超新星爆発で生まれると考えられてきたが、今回の観測や解析を受け、中性子星の合体で生まれている可能性が強まり、金などの元素が生まれた謎の解明に一歩前進した。

 重力波は物が動くと周りの時間と空間がゆがんで波のように広がる現象。アインシュタインが存在を予言したが、直接的な観測はできず、2015年9月にLIGOが観測に初成功。今年のノーベル物理学賞に選ばれた。研究に参加した国立天文台の田中雅臣・理論研究部助教は「中性子星合体がこんなに早く検出されるのは驚きだ」と話している。【阿部周一、酒造唯】

 【ことば】中性子星

 重さは太陽ほどありながら、半径10キロ程度の大きさの特殊な星。極めて高密度で、角砂糖1個(1立方センチ)分の大きさ当たり、重さは10億トンにもなる。高密度に圧縮された中性子でできており、「巨大な原子核」とも呼ばれる。太陽の8倍以上の重い星が爆発(超新星爆発)した残骸の中心にできるとされる。