広辞苑「フェミニスト」「フェミニズム」 「平等」入ります
東京新聞:2017年12月31日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201712/CK2017123102000101.html

広辞苑第六版の「フェミニスト」「フェミニズム」の説明文
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 国語辞典「広辞苑」の「フェミニズム」「フェミニスト」の説明文が変わる。
「現行の記述では女性が男性以上の権利を求めていると解釈されやすい」と主張する市民グループの意見を参考に、発行元の岩波書店が来年一月に発売する第七版で、新たに「平等」という言葉も盛り込む。

 岩波書店の担当者は「『平等』の言葉は解説に加えた。新しい表現については、刊行を待ってほしい」と話している。

 現在の広辞苑は、フェミニズムを
「女性の社会的・政治的・法律的・性的な自己決定権を主張し、男性支配的な文明と社会を批判し組み替えようとする思想・運動。女性解放思想。女権拡張論」、
フェミニストは「(1)女性解放論者。女権拡張論者(2)俗に、女に甘い男」と説明している。

 この文章に、性別間の平等を訴えるアート活動を匿名でするグループ「明日少女隊」が五月、「あらゆる性の平等の理念が入っていない」と異議を唱える手紙を岩波に送った。
ネットでも書き換えを求める署名を呼びかけ、十二月二十八日現在で六千二百六十七人の賛同者を集めた。

説明の書き換えを求め、市民グループ「明日少女隊」がネットで公開しているキャンペーン映像から=明日少女隊提供
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 明日少女隊によると、海外の権威ある辞典の「フェミニズム」の説明文は、
「性別間の政治的、経済的、社会的平等の理論」(米国『ウェブスター辞典』)、
「性別間の平等に基づく、女性の権利をサポートする理論や運動」(英国『オックスフォード辞典』)となっており、「平等」という言葉が入っている。

 岩波の担当者は、新しい説明文について
「明日少女隊の要望を参考にしたが、現実に、歴史的にどう使われてきたかをまとめて提示するのが辞典の役割と考える」と話している。