女子教育の重要性を訴えて2012年10月にイスラム武装勢力に銃撃されたノーベル平和賞受賞者マララ・ユスフザイさん(20)が31日、生まれ故郷のパキスタン北西部スワート地区に里帰りした。銃撃後に治療のために渡英してから5年半ぶり。親族らと再会を果たした。

 29日から一時帰国しているマララさんは31日朝、首都イスラマバードからヘリコプターで移動。地元メディアによると、軍が厳重に警備する中、実家で親族や旧友に迎えられ、地元の学校を視察したという。叔父のメフムードさん(37)は「すっかり大人になったマララは『夢だった大学で勉強に打ち込みたい』と意気込んでいた」と話した。

 教育者を父に持つマララさんは銃撃前、女子教育に否定的な武装勢力に抵抗して、テレビで「お父さん、お母さん、どうか子どもを学校へ」と訴えていた。地区は軍の掃討作戦で治安が良くなったが、今も武装勢力の支持者は残る。身の危険から匿名で取材に応じた実家近くの男性(63)は「マララが声を上げてくれたことで学校に通う子が増えてきた。女の子の代表として闘ってくれてありがとう」と語った。

 マララさんは31日午後、自身のツイッターで「実家を見て、友達に会い、再びこの土地を踏みしめることができ、本当にうれしい」と喜びを伝えた。(イスラマバード=乗京真知)

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