久留米大(福岡県久留米市)は12日、医学部歯科口腔(こうくう)医療センターの教員2人が、業者への「預け金」としたり、他の研究者の名前を使って応募するなどしたりして、文部科学省の科学研究費計710万円を不正に使用・受給したと発表した。私的流用は確認されておらず、不正があった710万円は国庫に返納した。

 久留米大は▽不正使用した男性准教授を停職30日▽不正受給した女性講師を停職90日▽管理責任者のセンター長(教授)を出勤停止20日−−の懲戒処分とした。

 調査によると、准教授は2003年度に交付を受けた科学研究費のうち30万円を取引業者に預け金として管理させていた。また、講師は他の研究者2人の名義を無断で使って06年度の科学研究費に応募し、680万円を不正受給した。「自由に使える研究費を確保したかった」と説明しているという。

 15年12月に匿名の通報を受け、大学がデータの残っている00〜15年度分を調査したが、預け金は他に3件でも作られていたことも判明。一部は業者へ架空発注して虚偽書類を作らせ、大学に代金を支払わせるなどの手法で作られていたが、准教授分以外は財源が特定できなかった。【高芝菜穂子】

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