◆松戸女児殺害 6日判決 車内の血痕どう判断 求刑は死刑

千葉県松戸市立小3年、レェ・ティ・ニャット・リンさん(当時9歳)=ベトナム国籍=が殺害された事件で、殺人など四つの罪に問われた通学先の元保護者会長、渋谷恭正被告(47)の裁判員裁判の判決が6日、千葉地裁(野原俊郎裁判長)で言い渡される。
検察側は、計画性や悪質性を重視し死刑を求刑。

弁護側は、証拠とされたDNA型の鑑定結果などを疑問視して無罪を主張している。
双方が真っ向から対立する中、裁判員らの判断が注目される。

最大の争点は被告が犯人かどうか。
検察側は論告で、被告の軽乗用車内の血痕が女児のDNA型と一致し、遺体から女児と被告のDNAが混ざった型が検出されたことなどから「被告の関与を疑う余地はない」と指摘。
弁護側は、「車内の血は事件前に女児が乗った際に付いた可能性がある」「捜査機関が意図的に被告のDNAを混ぜて捏造(ねつぞう)した可能性がある」として、「犯人であることを十分立証できていない」と反論していた。

最高裁が1983年に示した死刑選択の基準とされる「永山基準」では被害者数が重視され、1人の場合は死刑が回避される傾向がある。
検察側は今回、被告が一定の計画性を持って女児を連れ去り、当時は児童を守るべき保護者会長だったことなどを踏まえ、「被害者が1人の同種事件の中でも非難の程度は格段に高く、死刑を回避する事情はない」と主張した。

解説図:千葉・松戸女児殺害事件の主な争点
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毎日新聞 2018年7月5日 04時01分
https://mainichi.jp/articles/20180705/k00/00m/040/135000c