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 西日本豪雨の被災地では、多くの車が浸水した。日本自動車連盟(JAF)の中国本部は今月6〜9日の4日間、浸水に関するものだけで広島、岡山両県に741件出動。さらに数倍の救援依頼が殺到しているが、対応が追いついていない状態だ。浸水車両は不用意に取り扱うと火災や感電の恐れもあり、注意が必要だ。

 河川が氾濫した広島県坂町では、水や土砂で動けなくなった車が11日も多数、道路上に残されている。道路の真ん中を塞いだトラックには「JAFなどに連絡していますが、かなり時間がかかるそうです。ご迷惑おかけしています」との貼り紙も。近くに住む男性(62)は「住民は回り道をしている状態だ」と困惑する。

 車の故障時などに駆けつけ、修理を行うJAFの中国本部には「車がボンネットまで水につかった」「横転して土砂に半分埋もれている」などの救援電話がひっきりなしにかかっており、同本部などによると、6〜9日の4日間の浸水車両に関する出動件数は、広島県434件、岡山県307件。愛媛県にも数百件単位で出動したという。

 広範囲に冠水していたり道路が寸断されていたりする場合は出動を見合わせており、依頼自体は数倍に上る。さらに、雨の影響とみられる脱輪や事故、カギの閉じ込めも急増しており、担当者は「関西などからの応援も受けているが、数が多過ぎて追いついていない」と話す。

 バッテリー上がりやパンクなどの故障とは勝手が異なり、作業も難航している。車内いっぱいに土砂が詰まっていたり、タイヤと車体の隙間に流木などが絡まっていたりして、レッカー車での牽引けんいんが難しいという。

 スムーズに作業が進むように、被災地では車の周りに積もった土砂を撤去するなどの作業が続いている。

 浸水した車には細心の注意が必要だ。水が引いて外観に問題がなくても、内部に水が入り込んでおり、感電や電気系統のショートによる火災が引き起こされることがある。

 JAFや国土交通省は、自己判断でエンジンをかけないよう呼びかけており、まずはJAFや最寄りの整備工場などに連絡することを推奨している。

 火災を防止するためには、バッテリーのマイナス端子を外し、粘着テープなどで絶縁処置をするのが有効で、絶縁手袋などをして処理を行えば、二次災害を防げる。ただ、知識がない場合はむやみに触らない方がいい。

 また、高電圧のバッテリーを搭載しているハイブリッド車や電気自動車は特に注意が必要で、専門家に処置を委ねることが望ましい。

2018年07月11日 12時07分
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