2018年7月15日 6時50分

奈良市の奈良公園ではシカのふんを餌にする「ふん虫」のコガネムシが掃除に一役買っています。この「ふん虫」の魅力を広く知ってもらおうという展示施設が、今月、奈良公園の近くにオープンしました。
「ならまち糞虫館」と名付けられたこの施設は、地元の中小企業診断士、中村圭一さん(54)が奈良公園近くの空き家を改装して、今月オープンしました。館内には動物のふんを餌にする世界各国のコガネムシおよそ100種類の標本が展示されています。

中でもおすすめは、中村さん自身が奈良公園周辺で、中学生の時以来採集してきたコガネムシの標本です。このうち「ルリセンチコガネ」は奈良公園を代表するコガネムシで、大きさ2センチほどの瑠璃色に輝く羽根が特徴です。

中村さんによりますと、奈良公園にはシカのふんを餌にして掃除に一役買っているコガネムシがおよそ60種類いて、愛好家の間では“ふん虫の聖地”と呼ばれているということです。

見学に訪れた橿原市の高校1年の女子生徒は「ふん虫という名前から想像できないほどきれいでびっくりしました」と話していました。
中村さんは「せっかく人の役に立っても知られないままではふん虫も残念がっているはずです。ふん虫は美しい昆虫でもあるのでまずは知ってほしい」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180715/k10011533761000.html