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地球上が寒冷だったおよそ2万2000年前、南極などの氷が増えて代わりに海面が年最大2センチという急激なペースで下がっていたことが東京大学などの調査でわかりました。これほど急な海面変化はこれまで知られておらず、気候変動のメカニズムの解明と温暖化による今後の影響予測に役立つ成果として注目されています。

東京大学の横山祐典教授らの研究グループは、海面の変化を調べるため太古からあるオーストラリアのさんご礁、グレートバリアリーフでさんごの化石の調査を行いました。さんごは海の浅い場所にいるため、化石を調べると当時の海面の高さを知ることができます。

その結果、およそ2万2000年前の「氷期」と呼ばれる寒冷だった時期の終わりごろ、海面が年最大2センチという急激なペースで下がっていたことがわかりました。

これは、雪が増えたことなどで、当時、南極や北アメリカ大陸にあった巨大な氷床が考えられていたよりも数倍早く増え、代わりに海水が減ったと見られるということで、この状況は1500年くらい続いて、海面は20メートル以上低くなったということです。

これほど急な海面変化はこれまで知られておらず、気候変動のメカニズムの解明と地球温暖化による今後の影響予測に役立つ成果として注目されています。

横山教授は「いちばん危惧されるのは、海面の上昇による災害だ。データを積み重ねメカニズムを明らかにして、これからの温暖化の影響を予測したい」と話しています。

2018年7月26日 6時32分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180726/k10011549301000.html