https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201809/sp/0011608905.shtml

「全く予想できず…」 神戸の男性、関空“孤立”
2018/09/04 22:10

冠水と連絡橋破損に伴い、関西国際空港内で孤立した人たち=4日午後(山田陽介さん提供)
https://i.kobe-np.co.jp/news/sougou/201809/img/b_11608906.jpg

 台風21号で冠水した関西空港では、強風で流されたタンカーが連絡橋に衝突して通れなくなったことも重なり、多くの人が孤立。国際線出発前に足止めを食らった神戸市北区の会社員、山田陽介さん(44)は「帰ろうにも帰れない。どうしようもない」と肩を落とした。

 旅行会社に勤める山田さんは観光商品の開発に向けてカナダを視察するため、午後6時前の便で渡航予定だった。昼間にラウンジにいた際に雨風が急激に強まり、「聞いたことのないごう音。大きな物がぶつかるようだった」と驚いた。

 同1時ごろ停電し、空調もストップ。「暑くてここにいられない」と向かったコンビニには飲食物を求める人が殺到。約1時間並んでレジに着いたが、おにぎりやサンドイッチは売り切れ。お茶やカップ麺、缶詰を購入したが、「お湯は出ず、ラーメンは食べられない。明朝までしか持たない」と不安そうに話した。

 待機所として解放された搭乗口へ移動する途中、ガラス越しに破損した連絡橋とタンカーを見た。「ここまでの威力とは…。全く予想もできなかった」。いすに座って夜を過ごしたが、「空港側から今後の説明が何もない。待つしかない」と疲れた様子だった。(佐藤健介)