「お坊さん」の評価は、「仏教」や「お寺」に比べて低い−−。浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺)の総合研究所が昨年、葬儀業者や消費者ら2221人から回答を得たアンケートで厳しい結果が出た。

 調査は昨年8月に東京、同11月に大阪で開いた「エンディング産業展」で用紙を配り、業者991人、一般来場者500人、宗教者165人などが回答した。

 仏教、寺、僧侶の印象について、「悪い」が1、「良い」が5の5段階で尋ねたところ、平均点は順に4.1、3.8、3.5と僧侶が最も低かった。仏教への悪印象の原因を選択してもらう設問では「特にない」(45%)に次いで「僧侶」が25%を占めた。宗教者の回答に限ると41%が僧侶を選んでいた。

 また、僧侶の悪印象の原因では「人に対する態度」が最多の23%で、「金銭感覚」(19%)が続いた。一方、「教義の理解不足」「読経の力量不足」など僧侶の専門性への不満はいずれも5%程度。また、「人に対する態度」を回答者別にみると、僧侶に接する機会が多い業者は27%に上り、一般来場者の16%より多かった。

 福本康之研究室長(49)は「僧侶の人間としての資質を上げる必要がある」と話した。

 アンケートは僧侶の派遣サービスを巡り、全日本仏教会が2016年に中止を求めて批判を受けたことを機に、仏教や寺への具体的な不満を聞き取ろうと実施。今年度も「葬儀に求められる宗教の役割」などを調査している。【国本ようこ】

毎日新聞 2018年11月1日 20時34分(最終更新 11月1日 21時17分)
https://mainichi.jp/articles/20181102/k00/00m/040/092000c