https://www.jiji.com/jc/article?k=2018112600961&;g=pol

安倍晋三首相は26日の衆院予算委員会で、北方領土問題をめぐり歯舞、色丹の2島返還と、
残る2島での共同経済活動でロシアとの平和条約を結ぶ「2島+α(アルファ)」論を否定しなかった。
明確な答弁を避ける場面も多く、プーチン大統領との交渉本格化を控えフリーハンドを確保する狙いとみられるが、
首相がどのレベルで手を打とうとしているか臆測を広げそうだ。
 
「+α」論は事実上、国後、択捉2島の返還断念を意味する。国民民主党の後藤祐一氏が
「2島で終わりとするなら問題だ」と追及したのに対し、首相は正面から答えず、「交渉対象は4島の
帰属の問題だと一貫して解釈している。双方に受け入れ可能な解決策に至りたい」と述べるにとどめた。
 
野党側は納得せず、「4島はロシアに不法占拠されているのか」などとただした。しかし、首相は
「わが国が主権を有する。この立場に変わりはない」などと繰り返した。
 
首相は先のプーチン氏との会談で、歯舞、色丹2島の引き渡しを明記した1956年の日ソ共同宣言を基礎として
平和条約交渉を加速させることで合意。「2島先行返還」にかじを切ったと受け止められると同時に、
「+α」論を視野に入れているとの見方が出た。