フランス南西部のピレネー山脈で10月、2頭のヒグマが放たれた。絶滅のおそれがあるとして生物多様性の尊重を掲げる仏政府がスロベニアから運び込んだものだが、羊を放牧する畜産農家の猛反発を招いている。

 10月4日、メスのヒグマが入ったオリが、ヘリコプターにつり下げられ、ピレネー山脈の谷筋のエトソット上空を飛んだ。

 ヘリは山脈の尾根にオリを下ろし、その扉が開けられるとヒグマが野に駆けだした。わざわざ空輸したのは、エトソットに至る道路上で「反対派」が通行を妨げようと陣取っていたからでもある。

 仏政府がヒグマの放出計画を明かしたのは今年3月。環境活動家として知られるユロ環境相(当時)が「ヒグマの血筋を絶やす環境相になりたくない」と主導した。「私たちは生物多様性という考えに愛着を持っている」とマクロン大統領も後押ししている。

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朝日新聞デジタル
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