https://www.sankei.com/smp/west/news/190218/wst1902180014-s1.html

家庭の余り物の食材を持ち寄って、プロの料理人が調理し、それを食べて楽しむ「サルベージ・パーティ(通称サルパ)」が、大阪・ミナミで開かれ人気を集めている。まだ食べられるのに捨ててしまう「食品ロス」を減らそうという試みで、リピーターも増え毎回満席。主催している女性3人組は「それぞれの家庭で食品ロスを考えるきっかけになれば」と話している。(中井美樹)

2月上旬、会場となっているフェアトレードショップ「Pamojah(パモジャ)」(大阪市中央区)では、集まった残り食材を料理人の松本琴美さん(46)が片っ端から料理に変身させていた。

大量のマロニーはちゃんこ鍋用スープでチャンポン風に、缶詰の豆はフードプロセッサーでつぶしてクラッカーにのせて酒のおつまみに…。参加者は調理を手伝いながら持参した食材がおいしい料理に生まれ変わっていく様子に驚き、完成するそばから食べて、ワイワイと会話を楽しむ。「家の余り物でこれだけ楽しめるなんて最高」と満足そうな笑みを浮かべていた。

食べてしゃべって楽しんでいるだけのように見えて、参加者の「食品ロス」への意識は確実に高まっている。

茨木市の公務員、山中幸子さん(37)は「家で余りやすい食材の傾向が分かった」。滋賀県近江八幡市の会社員、山中英治さん(56)は「持ち寄る食材を家で探していると期限が過ぎてしまった食材が意外にあって反省した」といい、今では買いすぎないようになったという。京都府宇治市の会社員、松本茂善さん(52)は「工夫して使い切ることを考えるようになった」と話した。

環境省によると、国内の食品ロスは約646万トン(27年度)にのぼり、その半分近くは家庭からの廃棄物だ。東京で生まれ全国で開かれているサルパだが、中山さんは始末の心が大切にされる大阪で広がっていく手応えを感じているという。

「食べることに関心が高いし、『もったいない』ということにも敏感。サルパを繰り返し開催することで、食品ロスへの関心につなげていきたい」と中山さんは意気込んでいる。

次回は3月23日に開催。