太宰治の代表作、完全原稿を発見

戦時下に執筆の「お伽草紙」

 日本近代文学館(東京)は5日、作家太宰治(1909〜48年)による短編集「お伽草紙」の、全編がそろった完全原稿が発見されたと発表した。戦争末期、空襲に見舞われながら書き継がれた中期の代表作。6日から同館での特別展「生誕110年 太宰治 創作の舞台裏」で公開される。

 記者会見した東京大教授の安藤宏さんによると、原稿は400字詰め原稿用紙を半分に切った200字詰めで計387枚。数年前、個人が所蔵していることが分かった。筆跡などで太宰の直筆と特定し、内容から下書きなどではなく、最終稿とみられるという。

 「お伽草紙」は大人向けの寓話集で、終戦直後に刊行された。


一般社団法人共同通信社(2019/4/5 16:41)
https://this.kiji.is/486781541953242209?c=39546741839462401

太宰治=1941年11月、東京・三鷹の自宅付近(日本近代文学館提供)
https://nordot-res.cloudinary.com/t_size_l/ch/images/486803199161222241/origin_1.jpg

公開される太宰治の「お伽草紙」の原稿
=5日、東京都目黒区の日本近代文学館
https://nordot-res.cloudinary.com/t_size_l/ch/images/486803254622045281/origin_1.jpg