アメリカのトランプ政権は、中国との貿易交渉で歩み寄りが見られなかったとして、まだ関税を上乗せしていない約3000億ドル分の輸入品についても新たに上乗せする手続きを始め、13日にその詳細を公表する方針です。これが実行されれば中国からのすべての輸入品が関税引き上げの対象となり、米中の攻防はさらに激しくなります。

トランプ政権は、中国との貿易交渉で折り合うことができず、中国からの2000億ドルの輸入品に課している関税の上乗せを10日、10%から25%に大幅に引き上げました。

これに対し中国側も報復措置をとる構えを示したことから、アメリカ通商代表部はトランプ大統領の指示を受けて、新たに約3000億ドル分の輸入品に関税を上乗せする手続きを始めました。

これが実行されれば、通商法301条に基づいて知的財産権の侵害を理由にした関税の上乗せは中国からのすべての輸入品が対象になり、アメリカ通商代表部は13日にその詳細を公表する方針です。

トランプ政権としては、新たな関税措置を発動する構えを示すことで、今後一連の貿易の問題で最終的に合意した場合、その内容に法的拘束力を持たせることなどアメリカの要求をのむよう迫る方針で、米中の攻防はさらに激しくなります。

■中国「絶対譲歩しない3つの争点」とは

中国は、アメリカとの貿易交渉の責任者を務める劉鶴副首相が国営メディアを通じて中国の立場を直接説明する異例の対応を取り、アメリカの圧力に屈しない姿勢を強調しています。

劉副首相は具体的に3つの争点を明示し、「重大な原則的な問題では中国は絶対に譲歩しない」と強調しています。

《1 アメリカが中国製品に上乗せしている関税の扱い》
交渉が決着した際にはすべての関税が撤廃されなければならないと主張しています。

《2 アメリカの貿易赤字削減に向けて中国が行う輸入拡大の規模》
去年12月にアルゼンチンで行われた習近平国家主席とトランプ大統領との首脳会談で共通認識を得ており、それを変更すべきでないとしています。

《3 双方が目指している合意文書の書きぶり》
交渉の中で、中国の主権が侵害されかねない文言が盛り込まれる可能性があることを念頭に「国家の尊厳が守られるようバランスを取るべきだ」と主張しています。

中国共産党の機関紙「人民日報」もこの3つの争点を伝えながら、「中国はいかなる極限の圧力にも屈しない」とする評論を掲載しています。

一方、中国政府は、アメリカが10日、中国からの2000億ドルの輸入品の関税を引き上げたことについて「必要な反撃措置を取らざるをえない」と主張しているものの、これまでのところ具体的な内容を打ち出していません。

今後、中国側が具体的な報復措置に踏み切れば、日本をはじめ世界経済への影響が避けられないだけに、中国の対応が注目されています。

■ホワイトハウス高官「G20サミットで米中首脳会談」

ホワイトハウスのクドロー国家経済会議委員長は12日、アメリカのFOXテレビのインタビューで「米中の交渉は今後も続く。来月末に日本でG20サミットがある。トランプ大統領と習近平国家主席が会う公算がかなり高いだろう」と述べ、G20サミットに合わせて米中の首脳会談が開かれる可能性があるという認識を示しました。

2019年5月13日 4時34分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190513/k10011913791000.html?utm_int=news_contents_news-main_004
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190513/K10011913791_1905130509_1905130510_01_03.jpg

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