新幹線「N700S」 最高速度362キロ記録
毎日新聞 2019年6月7日 07時00分(最終更新 6月7日 08時23分)
https://mainichi.jp/articles/20190607/k00/00m/040/012000c

 JR東海は6日、東海道新幹線の新型車両「N700S」(16両編成)による高速実験を報道陣に公開した。
滋賀県近江八幡市―野洲市間(約4キロ)で、最高速度362キロを記録。
同車両は海外輸出を想定しており、JR東海は「最高の性能を示すことができた」と自信を見せている。

 高速実験は営業運転終了後の6日午後11時41分から、米原―京都間(約68キロ)で実施。
5分ほどで東海道新幹線(最高速度285キロ)、山陽新幹線(同300キロ)を次々と上回り、
約10分後に360キロを突破した。約18分後に京都駅に到着。通常の営業運転より、約2分早かった。

 JR東海によると、N700Sは東京五輪・パラリンピック前の2020年7月に運行開始予定。
車両性能の確認試験を18年3月から実施してきた。これまでに最高速度は363キロを記録。
実車に近い「確認試験車」として、過去最高速度という。

 JR東海は米テキサス州の高速鉄道、台湾新幹線などへの売り込みを狙う。
報道公開終了後、新幹線鉄道事業本部の上野雅之副本部長は「日本の技術の粋を集めた。
速度だけでなく、乗り心地、安全性も優れている」とアピールした。
一方、国内では現在の最高速度を上回る運用は考えていないとした。

 営業運転を想定していない高速試験車では「300X」が1996年7月、東海道新幹線で最高時速443キロを記録している。

◇ 報道公開されたN700Sの車内。最高速度の「362」の数字が表示された。左下は先頭車両からの車外映像=東海道新幹線米原−京都間で6日午後11時50分ごろ、高橋昌紀撮影
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◇報道公開されたN700S。「試運転」の表示がされていた=東海道新幹線米原駅で6日午後10時40分ごろ、高橋昌紀撮影
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◇ 最高時速360キロ超えを記録したJR東海のN700S=東海道新幹線米原駅で午後10時25分ごろ、高橋昌紀撮影
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