福岡市で80代の男性が運転する乗用車が交差点に突っ込み、男性と妻の2人が死亡した事故で、助手席にいた妻のシートベルトが外れた状態だったとみられることが分かりました。警察は、夫が正常な運転ができなくなり異変に気付いた妻が、車の暴走を止めようとシートベルトを外した可能性もあると見て捜査しています。

今月4日、福岡市早良区で乗用車が反対車線を猛スピードで逆走し、複数の車にぶつかりながら交差点に突っ込み、運転していた小島吉正さん(81)と妻の節子(76)さんの夫婦2人が死亡し、7人が重軽傷を負いました。

これまでの調べで、乗用車は、交差点の手前およそ700mのところで最初の接触事故を起こしてから急激に速度を上げ、数十秒間にわたって速度を落とさず交差点に突っ込んだことが分かっていて、警察は小島さんが何らかの理由で正常な運転ができなくなり、アクセルを踏み続けていたと見ています。

警察が詳しく調べたところ、助手席にいた妻の節子さんには激しい衝突の際などにできるシートベルトの跡が確認されず、交差点に突っ込んだ時点ではシートベルトを外した状態だったとみられることが新たに分かりました。

警察は、正常な運転ができなくなった夫の異変に気付き、車の暴走を止めようとシートベルトを外した可能性もあると見て捜査しています。

事故から11日で1週間となり、警察は今後、2人が乗っていた車についても分解するなどして詳しく調べる方針です。

■妻は日頃シートベルトを着用

小島さん夫婦と親しい男性は「妻の節子さんはいつも助手席に乗っていたが、車の窓からシートベルトをしている様子が見えた。車を降りるときにシートベルトを外すのも見たことがある」と話しています。

節子さんとともに民生委員として活動していた3人の女性も「小島さんの車に何度も同乗したことがあるが、節子さんは助手席で必ずシートベルトをしていた」と話しています。

2019年6月11日 15時34分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190611/k10011948701000.html?utm_int=news_contents_news-main_002
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