https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190627-35139100-cnn-int
 米ボーイングの新型旅客機「737MAX」のコンピューターシステムに、機体の急降下につながる新たな欠陥が見つかった。
同機のテストに詳しい関係者2人が明らかにした。この問題が原因で、737MAXの運航再開はさらに遅れる見通しだ。

関係者によると、今回の欠陥は、ボーイングが開発した新しいソフトウェアをテストするためのシミュレ―ション飛行で明らかになった。
737MAXは2度の墜落事故が発生したことを受け、今年3月から運航が停止されている。インドネシアとエチオピアで相次いだ墜落事故では
計346人が死亡した。
墜落原因は今も究明中だが、これまでの調査の結果、両機とも機体を安定させるための新システムが原因で機首が急激に下がり、
操縦士が制御できなくなっていたことが分かった。
ボーイングは、ソフトウェアを修正してその安定システムの機能を制限することにより、墜落を引き起こした問題の連鎖を断ち切ることができると発表していた。

しかしシミュレーション実験を行った結果、マイクロプロセッサーの不具合が原因で機首が下がる現象を、政府機関のパイロットが発見した。
インドネシアやエチオピアの墜落事故についてもマイクロプロセッサーが関係していたのかどうかは分かっていない。
関係者によると、シミュレーション実験では、パイロットが数秒で態勢を立て直すことが難しかった。
「数秒で立て直すことができなければ、とてつもないリスクが生じる」とこの関係者は指摘する。

この問題についてはボーイングの技術者が対応に当たっており、それが運航再開の延期につながった。
ボーイングによれば、米連邦航空局(FAA)は追加的な対策の必要性があると判断し、ボーイングが過去8カ月間かけて開発してきた
ソフトウェアの変更を通じて対応するよう同社に指示した。
「ボーイングはFAAの決定と要請に同意する」と同社は述べ、ソフトウェアの修正を進めていることを明らかにした。
「737MAXが認定に必要な全条件を満たし、安全な運航が再開できるようになるまで、FAAへの認定申請は行わない」としている。
関係者によると、ボーイング技術者は、マイクロプロセッサーの問題がソフトウェアのプログラミング変更によって修正できるのか、
それとも737MAXの全機でマイクロプロセッサーの物理的な交換が必要になるのか、見極めようとしているという。

ボーイングとFAAはまた、737MAXの運航再開に向け、操縦士の追加訓練についても詳細を詰めており、
シミュレーターを使った訓練時間を増やす可能性もあると関係者は話している。
FAA広報は26日、737MAXの運航再開について「安全と判断した時点で禁止命令を解除する」と述べ、
「ボーイングのソフトウェア変更について見極めを続ける。必要な訓練については今も開発を行っている」と説明した。