大阪メトロは29日、2024年度までに改装する地下鉄御堂筋線と中央線の大阪市内の計15駅のうち5駅のデザインを決めたと発表した。
昨年12月に発表した当初のデザイン案は「奇抜すぎる」などと批判を浴びていた。
落ち着いた装いに様変わりし、河井英明社長は記者会見で「支持されると思う」と語った。残り10駅は来年発表する。

当初案は派手な柄などが「歴史を考慮していない」「奇抜で疲れる」と批判された。
今年2月には岸政彦・立命館大教授(社会学)らが約2万人分の反対署名を集めて提出。

同社が3月に約1200人を対象に実施したアンケートでは、心斎橋▽堺筋本町▽弁天町――の3駅の案に対して、「評価する」との回答が5割に満たなかったという。
同社は7月、フェラーリなども手掛けた工業デザイナーの奥山清行氏(60)をデザインの統括役に招へい。

この日、御堂筋線の▽中津▽梅田▽心斎橋▽動物園前――の4駅と、中央線堺筋本町駅の計5駅の正式デザインを発表した。
心斎橋駅は「高級感と上質感」をコンセプトに、シャンデリア型のLED照明で昭和前期の雰囲気を出す。
堺筋本町駅は壁面に木調パネルとチタンの格子模様をあしらい、「和風モダン」を表現する。

記者会見で奥山氏は「当初案から基本コンセプトは変わらない。安全と使いやすさを絶対条件にしつつ、開業当時の空間を生かした」と説明。
河井社長は「当初案は完成度に問題があった。多くの意見をもらい、大変良くなった」と自賛した。

旧案について「歴史的価値を損ねないような改修デザインが必要」とする要望書を提出していた日本建築学会近畿支部のメンバーで、京都工芸繊維大学の笠原一人(かずと)助教は「前回案より改善されており一定の評価をしたい。
ただ、心斎橋と梅田ではアーチ状の天井が見えにくくなるなどシンプルなデザインが分かりにくくなっている部分もある」とコメントした。

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