「飲むまで中身が分からないお酒」として売り出された、その名も「もっけだの鶴岡」だ。「もっけだの」というのは、庄内地方の方言で「ありがとう」を意味する言葉だ。実は今年6月に山形県沖地震が発生するなか、割れずに残った貴重な日本酒なのだが、ラベルを貼る前に被災したため中身が大吟醸なのか純米酒なのか分からず、出荷できずにいた。再起をかける酒蔵を取材した。

 先週に販売が始まったもっけだの鶴岡は、利き酒が楽しめるのが特徴のお酒だ。実はこれ、なんと地元の名酒「和田来」や「出羽ノ雪」など5種類のうち、どの銘柄の日本酒が入っているのか造った本人ですら、はっきりとした確証がないという代物。これは一体…。

鶴岡市の酒蔵渡會本店・渡會俊仁社長:「こちらは地震で倒れて中身がどのお酒か特定できなくなったお酒」

 6月に最大震度6強を記録した山形県沖地震が発生。鶴岡市でも6弱を観測し、酒蔵は大量の酒瓶が割れるなど甚大な被害を受けた。ここで、渡會さんを困惑させたのが…。大吟醸なのか、純米酒なのか。出荷前の中身が分からない酒瓶の在庫が大量に発生してしまったのだ。そこで立ち上がったのが地元の旅館業の若手たち。開き直って中身が分からないことを逆手に売り出すことを思い付いたのだ。

 もっけだのは、庄内弁でありがとうを意味する言葉。被災者へのエールが込められている。
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