小学4年生のわが子が、授業参観のお知らせプリントを持って帰ってきました。なるべく仕事を調整して参観や学校行事には参加するようにしている私。今回は特に興味深い授業で「保健体育」でした。しかも性教育の授業で外部から講師を招いて行われるとのこと。4年生全クラスで体育館での参観です。「4年生で性教育って早くない!?」。昭和生まれの私には少し衝撃でした。

テーマは「男女の身体の違い」「これから起こる身体の変化」「赤ちゃんはおなかの中でどうやって成長するのか」でした。講師の先生はハキハキと話す50代くらいの女性です。言葉選びもストレートな表現で授業は進みます。「精通」「射精」「排卵」「初潮」「受精卵」など小学4年生にはまだ理解できないかも…という部分もありました。

 男の子向け女の子向けの性教育を男女同時に受けているので、「自分の体にないモノの話を小学4年生はどう受け止めているのだろう」と子どもたちの背中を見ながら私はふと思いました。「お互いのことを知ることは大事!」「体に起こるこれからの変化は病気じゃない」と繰り返し講師の先生が子どもたちに言っているのが印象的でした。

 講師の先生の話が終わり、薄暗くなった体育館。受精卵から出産までのビデオがスクリーンに上映される流れになりました。そして再び明るくなった体育館。講師の先生が「それでは実際に体験してみましょう」と言いました。

「た、体験って何を!?」

 担任の先生たちが何やらいろいろ準備をしています。
 「各クラスに分かれて、順番に体験しましょう! 保護者の方も一緒にどうぞ」

 はじめに、赤ちゃん人形が長机にずらりと並べられました。新生児から1歳児のサイズに作られた人形で「抱っこ体験」です。4カ月くらいまでは首が安定していないという特徴まで再現されています。「こんな人形に4年生が興味を持つのかしら」と思った私でしたが、実際には子どもたちは、まさかの人形の取り合い!!

 次の体験は「心音を聞いてみよう」。胎児の心音を聞いて子どもたちは興味津々。そして聴診器を使って自分の心音、そしてクラスメートの心音を聞き、「いのち」を感じる体験をしました。胎児の心音は、保護者にとっては懐かしく響きました。

 それから「妊婦」体験です。父親教室などでも使われていますが、リュックサック型の妊婦体験ジャケットを1人ずつ装着します。立ったり座ったり歩いたり、と子どもたちはフラフラして大変そうでしたが妊婦経験の私から言えば「もっと大変なのよ…」と教えたいところでした。

 最後の体験は「赤ちゃんになって生まれよう」というもの。産道に見立てたトンネル状の布に入って、もう1回生まれる疑似体験です。出口から出てくる子ども一人一人を「おめでとう!」と拍手喝采で迎えます。子どもたちは、これが一番の大盛り上がり!!

 恥ずかしそうに出てくる子もいれば、ガッツポーズをする子などリアクションは十人十色。私は帝王切開だったのですが、わが子も笑顔で拍手喝采の中、もう一度生まれてきました。

 子どもたちが教室に戻った後、保護者だけの居残り授業が行われました。ストレートな言葉で聞いた内容を家庭で質問してくるかも知れない。その「対応について」の指南です。

 講師の先生が言うには「うそは話さないでください」とのことでした。例えば「赤ちゃんはどうしたらできるの」の問いに「コウノトリが運んでくる」はNG。とっさに聞かれてうまく答えられない時は「ちゃんと調べて後で教えてあげる」でよいとのこと。

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