死因の8〜9割は駆除と狩猟

住宅街や畑に入り込み、有害獣として駆除された道内のヒグマの数が2018年度、環境省や道の速報値で827頭となり、統計が残る1962年度以降で最多となった。
狩猟による捕殺を含めても62年度(868頭)に次ぐ860頭前後になる見通し。
札幌市内は08〜19年度の駆除数が18頭に限られ、安全面などから都市部での駆除には困難も伴うが、本年度は6頭に上る。
ヒグマの死因の8〜9割は駆除と狩猟で占められるとの推計もあり、対策見直しを求める専門家もいる。

民家の敷地内にクマ 札幌・南区の住宅街(2019/08/08)

道は90年春から「春グマ駆除」中止

道は家畜被害の増加などを受けて1966年以降、生息数を大幅に減らすことを目的に、足跡の追跡などが容易な残雪期に駆除・狩猟を奨励する「春グマ駆除」を進めてきた。
これにより80年代序盤までは毎年度、駆除や狩猟による捕殺が300頭台中盤から600頭台中盤で推移してきた。

ただ、生息数の減少で89年度に捕殺数が200頭を切り、ヒグマの保護議論も活発となったため、
道は90年春から春グマ駆除を中止し、必要に応じて駆除する対応に変更していた。

その後30年で生息数増、行動域も拡大

生息数はその後の30年で徐々に回復しているとみられる。予算や時間の制約から道は正確な調査を行っていないが、
猟友会などからの聞き取りを基にした推計では1990年に5800±2300頭(3500〜8100頭)だった生息数は12年には1万600±6700頭(3900〜1万7300頭)となった。

これに伴い捕殺数も増加傾向に転じ、03年度以降は300頭台中盤以上を維持。
17年度は851頭を記録、18年度はそれを10頭前後上回る見通しとなった。

ただ、ヒグマの生態に詳しい酪農学園大の佐藤喜和教授は「自然死は一握りで、成獣の死因の8〜9割は駆除や狩猟など人為的なものだ」と推計。
道立総合研究機構環境科学研究センターの間野勉・自然環境部長もヒグマの生息数が回復する中、高度成長期に広がった住宅街や耕作地が人口減少で空き家や耕作放棄地になるなど後退し、
ヒグマの行動域が再び拡大して駆除増加につながったとみる。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191103-00010000-doshin-hok
11/3(日) 6:04配信

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