京都市交通局がこのほど実施した市バスのダイヤ改正に伴い、一部系統で経路変更のため、停留所が休止になることに住民が不満を募らせている。市は観光客の増加で生じた混雑対策のためと説明しているが、設置から60年も経過するバス停の休止に住民らは「観光客の利便性のため、どうして住民が犠牲になるのか」と反発している。

休止になった停留所は、北区のきぬかけの路にある「金閣寺前」と「衣笠総門町」。立命館大学前と三条京阪前を結ぶ12号系統と、山越中町と三条京阪前を結ぶ59号系統が停車する。両停留所は1959年に設置された。

近年の観光客の増加に伴い、金閣寺前の停留所に利用が集中して両系統が混雑しており、市交通局は2016年秋から春秋の観光シーズンの土日を中心に2カ所のバス停を休止している。きぬかけの路を通らず、西大路通を経由するルートに変更してきた。

同局は、この混雑緩和策に効果があったとして、ダイヤ改正した20日から試行的に通年で実施することを決め、今月3日に住民説明会を開いた。参加した近隣の女性(72)は四条烏丸方面に仕事で週5日利用しており、「観光シーズンの経路変更は我慢してきた。それが通年なんておかしい。市バスは『市民の足』ではないのか」と憤り、「高齢者が多く住む地域なので、自宅近くのバス停がなくなるのは死活問題」と訴える。

同局は「試行的に休止するので廃止ではない。短期間で経路変更を再び行うことは困難だが、利用状況を見ていきたい」とする。住民がバス停を利用する赤阪町町内会の吉田実会長(68)は「試行的とするなら住民の意見を聞き、その意見を反映して元に戻してほしい」と話している。

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