抗酸化作用で疲労の原因を緩和する成分「イミダペプチド」。効率よく摂取するには含有量はもちろん、カロリーや金銭面でも鶏むね肉が最適だ。
AERA2020年3月30日号で、疲れが取れないという50代記者が「鶏むね肉生活」に挑んだ。


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齢55、常にダルさを抱える中年記者は、鶏むね肉1日100グラムを2週間食べ、さびない体づくりに挑戦した。

サラダチキンを皮切りに、鶏むね肉のグラタン、親子丼、タンドリーチキン……。開始から4日間のメニューだが、ここまで鶏肉、しかもむね肉が中心の食事を取るのは初めてだ。

指導を仰いだ「東京疲労・睡眠クリニック」の梶本修身(おさみ)院長(57)によれば、鶏むね肉の調理法は、焼いても、揚げても、蒸しても、煮てもOK。
ただし、水溶性のイミダペプチドは煮ると溶け出してしまうので、スープまで飲み干すことが大事だという。ほかにも注意点として、

「早食い、ドカ食い、夜遅い食事は、消化吸収にかかわる自律神経に大きな負担をかけ、疲労の原因になります」(梶本院長)

疲労を「見える化」する計測機器「疲労ストレス測定システム」で、2〜3日おきに効果をみることにした。

1日目は、疲労度「66歳相当」、疲労とストレスの総合評価は3段階でもっとも悪い「要注意」。2度目の測定となった4日目は、せっせと鶏むね肉を食べたので改善したと思いきや、さらなるショックを受けた。
現状維持どころか、悪化していたのだ。疲労度が「69歳相当」とさらに3歳上がり、もはや古希に近い。総合評価は「要注意」のままだ。

いったいどうして。鶏むね肉を食べる量をさらに増やすべきなのか。悪化した原因が分からず、梶本院長にメールで相談すると、すぐに返信が来た。

「イミダペプチドは『疲労を軽減させるもの=細胞のさびをつけにくくするもの』であって、『疲労を回復させる=細胞のさびを落とす』ものではありません。また、即効性もありません。最低1週間以上、イミダペプチドを200ミリグラム摂取してください」

それを聞いて安心した。再び、鶏むね肉を毎日むしゃむしゃ食べ続けると、6日目の測定で一転。なんと疲労度が「54歳相当」と実年齢より1歳下になり、総合評価も「良好」に。

ただ、相変わらず疲れはある。このまま食べ続けよう。

イミダペプチドはマグロやカツオ、豚肉や牛肉などにも含まれている。しかし今回は、鶏むね肉だけ食べ続けることにした。イミダペプチドが含まれる量が多く、低カロリーでしかも安価という理由からだ。

だが、これが仇(あだ)となった。鶏肉は嫌いじゃないが、毎日食べるとさすがに飽きる。しかもわが家は共働き。ともに忙しく、料理をする時間はあまりない。そのため、2週間のうち6日間はコンビニの「サラダチキン」となった。これから挑戦する人にはほかの食材も採り入れることを勧めたい。フードスタイリストの新田亜素美さんに、鶏むね肉のほか、豚ロース肉やマグロを使って手軽にできる料理を教わったので参考にしてほしい(下記レシピ)。

さて、その後の検査結果は、

ほとんど改善せず、「良好」と判定されたのは6日目の1度だけ。13日目は4日目のワースト記録に並んだ。2週間、鶏むね肉を食べ続け、結果だけ見ると疲れが軽減したとは言えない。

だが不思議なことに、開始1週間を過ぎた頃からダルさを感じなくなった。特に朝起きた時、以前のようなダルさがなく頭もスッキリ。数値が良くないのにどういうことか。梶本院長に再び問い合わせると、次のような返事が来た。

「プロジェクトの実験では改善率は76%で、もちろん全員に良好な結果を保証するものではありません。ただ、疲労感が軽快した場合、自然に遅い時間まで仕事して負荷が増えたり無理をしたりするケースもありますが、その可能性はないでしょうか? 
私の場合も、日頃からイミダペプチドを摂取していますが、続けている時よりも出張などで中断した時に疲れが増し、日頃のありがたさを実感します」

疲れがとれたように感じたからといって、無理は禁物、ということだ。鶏むね肉パワーを実感した記者。還暦まであと5年。それまでは元気に現役生活を続行できるかも。そう思えるようになった。(編集部・野村昌二)

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200325-00000016-sasahi-hlth&;p=2
3/26(木) 11:30配信

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