日本の暴力団員の間でコロナ患者が続出

 「外出するな。感染するな。(よその組と)抗争もするな」

 これは日本の組織暴力団、いわゆる「やくざ」の中でも最大の組織である山口組所属のある構成員が最近、『週刊朝日』に「親分の厳命」だとして伝えた内容だ。
山口組ではコロナウイルス患者が続出し、幹部さえも感染したかどうかの検査を受けたという。このため、組織の最優先目標が「勢力拡大」ではなく「健康死守」に合わせられたのだ。神戸市を本拠地とする山口組、神戸山口組の両組織は3月以降、大半の会合を取り消し、組員同士も接触できなくなっている−と神戸新聞が報じた。

 日本を強打したコロナで暴力団も危機に直面している。会合ができなくなり、「金づる」が途絶え、将来を心配する組員までいると日本メディアは伝える。コロナが一般市民に与えることのできる、数少ない「吉報」だ。

 まず、暴力団という組織は、ほかのどの分野よりもコロナに脆弱な条件を備えている。集まって勢力を誇示するのが暴力団の存在意義にして運営方式だ。
暴力団は狭くて換気のよくない場所に大勢が集まり、徒党を組む。警察関係者は、『週刊文春』に「事務所には当番制がありますし、幹部は組員の動向を把握するために事務所に顔を出すよう促すので、人間関係が密接」と語った。
ところがこれは、このところ日本政府が必ず避けるようにと勧告している「3密」(密閉、密集、密接)の代表例だ。やくざは、集まれないと組織力も弱まることが避けられない。

暴力団員の高齢化も問題だ。2017年に警視庁が発表した資料によると、全国の暴力団員およそ2万人のうち、50代以上が41%を占めた。
また暴力団は、普段から健康に気を付けないため糖尿や高血圧など基礎疾患が多く、ひとたびコロナに感染すると合併症などで悪化する可能性が高い、というのが専門家の話だ。元暴力団員のある人物は「日常生活の中で暴飲暴食は当たり前。規則正しい生活は刑務所か拘置所にいる時だけ」と『週刊朝日』に語った。

 暴力団の主な事業である風俗業や露天商の売上も、コロナのせいでがくんと落ちた。日本では、居酒屋の営業は午後8時まで(アルコールの販売は午後7時まで)、風俗店は休業するよう要請されている状況だ。かなりうまみのあった露天商は、花見のシーズンに続いて今回ゴールデンウイークの連休も運営できなくなった。
このため、資金難に直面している暴力団幹部が直接下部組織を回り、上納金を取っていくケースもあったという。

2010/05/03
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200501-00080064-chosun-kr