新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛要請が解除され、県内でも車両の行き来が活発化する中、ライダーによる死亡事故が相次いでいる。
体で風を切る疾走感がバイクの魅力である半面、ひとたび事故となれば重大な結果を招きやすい。
これからの季節は気温上昇による「ぼんやり運転」も懸念され、県警はツーリング時の十分な注意を呼び掛けている。

県警交通企画課によると過去5年間、バイク(125cc以上)を運転中の事故で亡くなったのは12人で、このうち7割に近い8人が単独での事故だった。
昨年1年間の事故犠牲者32人のうち、全ての車両を含めた単独事故による死者数の割合は2割程度にとどまる。
バイクの場合は、単独事故でも重大な結果につながることを裏付けている。

先月30日には、山辺町と天童市で相次いで死亡事故が発生した。
山辺町では軽乗用車と十字路で衝突し、天童市ではカーブの際に誤ってブロック塀にぶつかったケースだった。
過去の事故でも、バイクが工作物に衝突したケースでの死亡率は高く、衝撃を体で直接受けやすいバイク特有のリスクが垣間見える。

過去5年間のバイク事故の死傷者数を月別で見ると、融雪後の4月から増え始める。
6〜8月にかけて死傷者数は増加傾向となり、8月が62人(うち死者4人)と年間で最多となる。
今月に入って県境を越えた移動自粛要請が解除されるなど、ツーリングに出掛ける人もさらに増えそうだが、注意が必要な時期を迎えたとも言える。
https://www.yamagata-np.jp/news/202006/08/img_2020060800119.gif

真夏日が続く中、ぼんやり運転対策も重要だ。
外気温が高い中での運転は疲労を感じやすく、炎天下ではヘルメット内部の温度も上昇する。
同課は「水分補給や休憩を適切に行い、安全な状態でツーリングを楽しんでほしい」としている。
視野を広く保って左右にも視線を向ける、視点をなるべく遠くに置くなど、改めて運転時の基本の徹底も求めている。

写真:軽乗用車と衝突したバイクの男性が亡くなった事故現場。暑さによる「ぼんやり運転」など、運転時は十分な注意が必要だ
https://www.yamagata-np.jp/news/202006/08/img_2020060800118.jpg

以下ソース:山形新聞 2020年06月08日 09:01
https://www.yamagata-np.jp/news/202006/08/kj_2020060800169.php