菅義偉(すが・よしひで)首相は9日、米コンサルティング会社「ユーラシア・グループ」が主催する国際会議にビデオ録画方式でメッセージを寄せ、「中国をはじめとした近隣諸国との安定的な関係を構築していく」と述べた。一方で、日米同盟を強化するとともに「基本的価値を共有する国々と連携しながら『自由で開かれたインド太平洋』を戦略的に推進する」とも語った。

 また、首相は「国際情勢はコロナの対応の中で高まった自国中心主義や米中対立などとも相まって、これまで以上に予見しにくく、制御しにくいものとなっていく可能性がある」と指摘した。その上で「多国間主義を重視し、国際社会が団結、協力して進める取り組みをリードしていく」と強調した。

 具体的には、新型コロナウイルス感染症の治療薬やワクチンの開発・普及に貢献するほか、デジタル分野での国際ルール作り、脱炭素社会に向けた国際的な取り組みに貢献する意向を表明。世界貿易機関(WTO)改革や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の拡大などを通じ、自由貿易体制の強化を図るとした。

2020.12.9 09:24 産経新聞
https://www.sankei.com/politics/news/201209/plt2012090003-n1.html