※東スポ

【アツいアジアから旬ネタ直送 亜細亜スポーツ】カンボジアの女性が中国に嫁ぐ形で売られるケースが、新型コロナウイルス禍で急増。花嫁の売買相場は、なんと1万〜2万米ドル(約104万〜208万円)だという。

コロナの影響でカンボジアの主要産業である観光業は大打撃。最大の観光資源である世界遺産・アンコールワットの入場者数は実に前年比99%減だ。盛んだった靴や衣服などの軽工業も世界的な巣ごもり傾向で需要が減り、生産量が激減し失業者が急増。生活困窮者に対し政府が出す38〜76ドル(約4000〜8000円)の給付金制度も効果は薄い。

そこで人身売買ブローカーが暗躍。主に農村部を“営業”に回り、「家族の生活のためだ」などと若い女性たちを誘い、中国に連れて行くのだ。

標的は主に20代だが、中には14歳の少女も確認されているという。残された家族に渡されるのは1000〜3000ドル(約10万〜31万円)程度。カンボジアの困窮ぶりは、そんなわずかな金欲しさに娘を売ってしまうほどなのだ。

「カンボジアで“買われた”女性たちは、陸路でベトナムを通過し、中国へ抜けていくケースが多い」と13日に報じたのは、隣国ベトナムの主要ニュースサイト・VNエクスプレス。

記事では「中国国境に近い首都ハノイに拠点を置く人権保護団体が、今年になって救助した“カンボジア人花嫁”は19人と昨年の3倍」と伝えた。ただ、団体が保護できたのはごく一部。実際には膨大な数のカンボジア人女性が中国に売られているとみられ、その数はこの10年間で数万人と推定されている。

コロナ禍により東南アジア各国で制限されている出入国も、陸路なら賄賂次第で可能。街道から大きく外れたマイナーなルートならチェックも緩い。空港はどの国でも厳しい検疫体制が敷かれているため、ブローカーたちは突破しやすい陸路を選んでいるのだろう。花嫁の売買相場は、その手間賃込みの価格とみられる。

そこまでして中国人が花嫁をもらいたがるのは、「子供をつくらないことが何よりの親不孝」という価値観からだと言われる。1979年から2015年まで続いた「一人っ子政策」の影響で、中国では男性の人口が女性より約3400万人多い。跡継ぎに男の子を望むあまり、妊娠中に女の子だと分かると堕胎してしまう夫婦がたくさんいたからだ。

そんな背景から増えたのが、周辺途上国のカンボジアやラオス、ミャンマーでの嫁探しだ。ただ中国に渡ったアジア人花嫁の中には言葉の壁に悩んだり、暴力や監禁、強制労働といった虐待を受け逃亡する女性も多いという。子供を産んだ途端に離婚され、行き場をなくして不法滞在に…というケースも相次ぎ、国際問題になっている。

2020年12月20日 10時0分
https://news.livedoor.com/article/detail/19410138/
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